住宅を建てるには、建築士を選び設計監理を行うことが
法律で決まっていますが、今日は建築士に払う
設計監理費について考えてみます。
法律で決まっているにもかかわらず、建築士に設計監理を
依頼していない現場も多々あります。
どうして依頼しないのでしょうか?
私がつくる見積もり書には最初から設計監理費を
計上していますが、工務店やハウスメーカーの見積もりには
そのような項目はありません。
そのような費用を計上していないということは
設計監理を疎かにしているわけなんですが、そうなると
建物が設計図の通りにできているのか検査チェックする人がいない
状態で家づくりが進むことになります。
これは非常に怖いことです。
で、設計監理を施工会社がするのは番外ですので
その費用がないのはある意味わかります。
やっていないのを計上するわけにも行きませんからね。
では設計監理を建築士に頼むとなると、工事費用のほかに
余分にお金がかかると思っていませんか?
完全に間違っているとはいえない場合もありますが、
それはケースバイケースです。
設計監理費用は大体工事費の10%から12%くらいが一番多いと思います。
たとえば、工務店が2000万円という見積もりを出し、その金額で施主さんと
契約をした場合は
設計監理費は200万円となります。
合計2200万円かかることになりますね。
これは、工務店の工事費の見積もりをそのまま受け入れた場合、
設計監理費用が別にかかるようになります。
しかしここで、工事費を出すのを、施主か建築士が
した場合は、無駄な費用は一切含まない工事費になるので
1700万円~1800万円の工事費で
建築士の設計監理費は170万~180万円になります。
合計1900万円~2000万円ということになります。
比べてみると、建築会社が出した金額より安くなるか
高くても同額になります。
これは建築会社の無駄な費用分を削減して
その分で建築士の設計監理ができるということです。
結局、建築会社の見積もりは不透明な部分が多すぎて
施主にとって無駄な費用も多いです。
その分を法律でも決まっている建築士の設計監理費に充てたほうが
いいということなのです。
工事費の見積もりは建築会社ではなく建築士が公平な目で見て
適切な工事費を出すのが一番です。
建築会社の無駄な費用まで含んだ建築費で契約をしてしまうから
設計監理費用の分が高くなるのです。
積算見積もりができる建築士は少ないと思いますが、
積算見積もりがきちんとできる建築士に設計監理を依頼し
適切な工事費で施工してこそ少ない費用でできるだけいい家
ができるのです。
いい建築士といい施工店この両輪が上手く回って家づくりが
順調に行きます。
設計監理を依頼された建築士がきちんと見積もれば
建築会社が見積もる建築費より高くなることはありません。
建築士が家づくりの依頼を受けてから、基本設計に1か月実施設計に1か月
着工から完成まで4ヶ月。
大体6か月が最短なんですが、200万円の設計監理費で
1ヶ月33万円。
多くの建築士は設計業務に加え、現場監理、業者調整、コスト調整などなど
神経をすり減らしながら頑張っています。
施主さんにとって設計監理費は高いですか?
安いですか?
国の法でも建築士の報酬が決められていますが
その通りに計算すると、住宅でも300~500万くらいはなります。
それだけ責任が重い仕事だということで報酬もちゃんと施主さんに
お願いするようになっています。
ただ、それだけの報酬を請求しているのは、超一流?の建築家ぐらいでしょう。
普通は工事費の10%程度という建築士が多いようです。
ところで、私のところの家づくりは分業体制というか
それぞれが得意分野を請け負うようにしています。
お施主さんとの打ち合わせ、予算決め、材料仕入れなど家づくりサポート全般を
建築サポート。
設計監理業務を福田設計。
施工を井上建築と栗原住建。
このチームワークでムダな経費を抑え頑張っています。
家づくりの設計から施工まで全てを一つの会社でやると
いろいろな不手際が起こったり設計、施工のチェック機能が働かなくなったり
します。
それを防ぐには、それぞれが得意分野で責任を果たす、分業体制の家づくりが
一番いいようです。