建築コストを下げたいなら

私も法人の建築会社や個人で工務店で家づくりを請け負ってきたから分かるのですが

家を設計施工で請け負う時、出来るだけリスクを負わないようにします。

それは人間ですから自分の身を守るという本能みたいなもんですよね。

人から暴力を受けたらそれを防ぐためにこちらも暴力で対抗したりします。

 

暴力はいけないことですが、自分の身を守るための暴力は正当防衛で、罰せられません。

それと同じで家づくりを請け負う時、建築会社や工務店は、これから始まる事業(工事)

についていろいろなリスクを考えます。

そのリスクが実際発生した場合のことも考えて、見積もりも作っています。

たとえば、工事中に作業員が怪我したりした場合、責任は施主さんではなく

建築会社、工務店です。

また、想定していないお隣さんからのクレームがあった場合の対策費用。

見積もっていなかった部材が発生した。

これは、見積もりミスもありますし、施主さんの要望により追加で発生する場合も

あります。

 

施主さんの要望による追加の場合で大きな金額になる場合は「追加が出ますよ」

と追加の見積もりも出せますが、少しの金額ならま~サービスしとくか。

となります。

そのような細かい金額の積み重ねでも実際は費用が発生してくるので、建築会社

工務店は、その辺のリスクも想定した上で経費利益を出しています。

なので、細かい金額の追加や変更などは実際は金額はかかっていますが、

経費利益から出すわけです。

 

また、建築業者の人は「家は建ててからが本当の付き合いが始まります」

何て言いますが、本当は「建ててからもお金がかかりますよ」ということです。

建築業者の施工ミスで不具合が出た場合は無償で直すのが当然ですが、

正しい施工をしていても、自然の経年劣化や建築業者の責任でない場合も出てきます。

水道の蛇口のゴムパッキンの劣化や建具の開け閉めがスムーズに出来なくなった。

などいろいろあります。

また、クロスの角に隙間ができた。塗り壁の場合は細かいクラックが入った。

無垢の床板の場合は、反りや隙間が出た。サッシのカギがしまりにくくなった。

などもあります。

 

このような場合、建築業者の施工ミスではないのですが、アフターと称して

無償で微調整をしたり隙間を埋めたりするんですね。

これも実際人間が動く以上、お金がかかります。

だけど建築業者としてはいちいち施主さんにお金を請求する訳にはいかないということから

見積もり段階でアフターメンテナンスの費用を見積もりに入れています。

見積にそういう項目はありませんが。

この費用はホントに半端ない費用です。

 

なんせ、そこに家が建ってる以上、「建築会社が面倒見ますよ」なんて言う

建築会社もありますから。また施主さんも一生その会社に面倒を見てもらう

つもりでいます。

ま~それを完全に否定する気はありませんが、そのような建築業者のリスクや施主さんの

リスクを全て回避しようとするから、見積もりが高くなります。

家の価格が高くなります。

 

今は時代も変わりました。

10年先は元より、20年先、そこに家が建ってる限りなんて先

のことは誰も分からないのです。10年先、20年先依頼した建築業者が

倒産していないとは言い切れないのです。

80%~90%の中小企業は創業から10年以内に潰れているという現実もあります。

そう考えると建ててからの付き合いだとか、一生の付き合いというのは無意味です。

 

それよりも建築の段階で、倒産しない、完成まできちんと工事をするなどを

最も重要視した方が建築コストを考える上でもいいと思います。

現在の見積もりの出し方には建築業者、施主のリスクを回避するための費用が

多額含まれているということ。

そのリスクを契約前に話し合い、分散させれば家の建築費は格段に下がります。

私から言わせれば誰も分からない先のことを心配して、多くのお金を掛けるのはそれこそ

無駄です。ムダな費用です。

 

不具合が発生するかも知れないし、発生しないかも知れない。その費用を建築の見積もり段階か

ら見ておく?もうこんなやり方は時代にあっていないと思いますがいかがでしょうか?

アフターも不具合も建てた建築業者じゃなければできないということでもないし、実際、リフォ

ームなどは、全く関係ない別業者でしているのが多いというのが現実です。

また、キッチンやバス、トイレなどの不具合を治すのは建築業者ではなく、製造している

メーカーです。メーカー保証もありますしね。

 

これから建てる方は、あるかどうかも分からないことに対してのリスク分のお金は

払わないようにしましょう。

そうすると建築コストは下がります。

もちろん、建築資金が豊富にある方は、生命保険と同じようような感覚で

保険料を一括で払ったと思えばいいでしょうし、

見えないリスク、ないかも知れないリスク、あっても少額のリスク

に対しても多くのお金をお支払いただいてもOKです(笑)

でも賢くお金を使い方は、その時に少ないお金で対応してください。

実際できますから。

 

建築会社には着工から完成までの工事に集中してもらいます。

余計な設計のリスク、追加変更のリスク、建築後のリスクまで負わせるから建築費が

高くなります。

繰り返しますが、施工ミスなど建築会社の施工責任はしっかり取ってもらわなくては

なりませんがそれ以外のリスクまで建築費用に含めるなということです。

火災保険も35年分一括だと150万円前後かかります。

これを年単位で払うと、4万台で済みます。

 

しかも、火災保険は絶対必要ですが、建ててからのリスクは必要か必要ないかは

誰にも分からないのです。

私の家は30年近くなりましたが、今まで何も起こりませんでした。

目に見えないリスクに多額の保険料をあなたは建てる時に一緒に払いますか?

 

 

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