「モニター価格でご提供! ただし限定〇名様限り!」という広告を時々見かけます。
あなたも「え~っ、凄く安いな~。この金額なら・・・」
と、広告に見入った経験があるのではないでしょうか。
数百万円もお得になることがあるので、家が欲しいと思っている人なら、誰だって興味を持ちますよね。
でも、どうしてそんなにお得になるのか考えたことはありますか?
まず、「モニター」の意味について考えてみましょう。
ウィキペディアによると、『なんらかの製品・サービスの妥当性を確認する試験や その試験を行う人のこと』とあります。
つまり、モニター価格で家を建てたら、満足できない試験結果が待っているかもしれないということです。
車や家電のモデルチェンジと同じように、業者の家づくりも少しずつ変わっていきます。
ちなみに、最近は『耐震』『免震』『エコ』『創エネ』の分野が注目されています。
ただ、業者が「この方法を使えば、今までよりもっといい家づくりができるぞ」と思っても、実際に建て、しばらく住んでみないことには確かめられません。
でも、その改善点を確かめるために家を建てるのは、あまりにも負担が大きすぎますよね。
つまり、モニター価格で提供される家は、「お得な金額で建てますので、モニターとしてチェックしてくださいね」という意味合いも含んでいるのです。
そこを理解せず、ただ金額だけで判断してはいけません。
「今まで耐震を重視した家づくりをしていたが、免震に切り替えよう」
「断熱性を高くして、もっとエコな家づくりを目指そう」
「もっと高齢者が暮らしやすい家づくりを考えよう」
など、より良い家づくりのために、多くの業者が研究を重ねています。
その方向性があなたの考えと合っているなら、「モニターとして住んでみたい。改善の役に立ちたい」
とワクワクするでしょう。
「昨日の地震の時は全然揺れを感じなかったな。でもこの点は・・・」
と、長所と短所を前向きに捉えることができます。
これが、モニター価格で建てる施主の正しいあり方ではないでしょうか。
もし金額だけにこだわり、その趣旨を理解しないで建てると、住まいの欠点ばかりが目につき、楽しく暮らせそうにありません。
困ったことに、モニター価格を売りにして、手付金を払わせることで自社の客としてキープしようとする業者がいるのも事実です。
「先着2名様限り。ただし手付金を支払うことが条件です。
万が一返金を請求される場合は、所定の手数料をいただきます」
という業者に引っかかると、無事に解約できたとしても、心にキズが残ります。
『先着〇名』とか『〇月〇日まで』というフレーズは、消費者に考える時間を与えないための方法なのだ、ということを忘れないでください。
モニター価格でなくても「今月までキャンペーン価格で提供していますよ」という業者のフレーズも同じです。
ですから、もしそんな広告に興味を持ったら、その業者の家づくりの考え方が、あなたの考え方と同じか確かめましょう。