建設業界の裏表・実態

大きな建築会社はなぜ高い

地元工務店や設計事務所の住宅価格と比較すると、大手住宅メーカーはかなり高いです。
工場で大量生産しているのに、なぜ、高いのでしょうか?それには、こんな理由があるのです。

大手ハウスメーカー建築費内訳

大手ハウスメーカー建築費内訳

グラフは大手住宅メーカー10社が公表しているIR情報を元に 試算した、大手ハウスメーカーの建築工事費の内訳です。(※2009年度の決算資料元にしています)

大手住宅メーカーの原価は「実質工事価格」「下請けマージン」を 足した価格になります。売上価格の78%が原価を占めるので、粗利は22%になります。ただし、これは大規模分譲地の建売住宅や集合住宅なども含んで います。

次に、このグラフの項目をご説明します。

実質工事価格

実際工事に掛かる費用です。大手住宅メーカーは、「下請け工務店」に住宅工事を丸投げします。そして、実際にその工事するのは、さらにその下の「孫請けの工務店」です。実質工事価格は、「孫請け工務店」の原価に当たります。

下請けマージン

大手住宅メーカーは住宅を販売するだけで住宅の工事ができません。そこで、「下請け工務店」に住宅工事を丸投げします。そして更にその下の「孫請け工務店」にその工事を投げ、「孫請け工務店」が各専門業者を手配し工事します。それぞれがマージンを取るので、いらない費用がどんどん増えてしまいます。「下請け工務店」への発注価格が、大手住宅メーカーにとっての原価となります。

営業経費

大手住宅メーカーは沢山の営業マンを抱え、人海戦術で住宅の受注を獲得していきます。
その大量に抱えている営業マン達や営業に関わる人員の 給料や福利厚生費、販売促進費などが、これに当たります。

研究開発費

住宅の商品開発のために、大手住宅メーカーは毎年、研究開発費として、何十億円もの投資をしています。研究開発には住宅の性能に関する研究だけではなく、住宅とは直接関係のないマーケティングに関する研究等も含まれます。

モデルハウス

大手住宅メーカーは日本全国に、建築費約1億円ぐらいする豪華なモデルハウスを持っています。そしてモデルハウスのほとんどが5年もすると建て替えます。そのモデルハウスの償却費や住宅展示場への出展料、光熱費や維持費に毎年何千万もの費用が掛かります。

広告宣伝費

ゴールデンタイムに放映されるテレビコマーシャル費、新聞のフルカラーの一面広告費、雑誌広告費などです。最近、住宅業界は法改正や不況などのあおりを受けて、大手住宅メーカーはどこも苦戦を強いられています。そのため、広告宣伝費をかなり抑え、以前から比べると、コマーシャルの数はかなり減りましたが、それでも平均的に売上の2%ほどは費やしています。会社によって広告宣伝費は様々で、多いところで10%費やす大手メーカーも存在します。

その他会社運営費

直接住宅販売にはかかわらない員の人件費や事務所、車両、その他設備等、会社を運営していくのに必要となる費用です。大手住宅メーカーの従業員は、普通のサラリーマンと比べるとかなり高給です。大手住宅メーカーは広告宣伝や営業経費などに掛かる経費が比較的多くを占めています。

また、工事を下請けに丸投げするので、余分なマージンが発生します。それらの余分な経費が掛かっている分、地元工務店と比較すると、価格が高くなってしまう主な要因です。

大手住宅メーカーは広告宣伝や営業経費などに掛かる経費が比較的多くを占めています。また、工事を下請けに丸投げするので、余分なマージンが発生します。それらの余分な経費が掛かっている分、地元工務店と比較すると、価格が高くなってしまう主な要因です。

建築会社全般の裏ばなし

下請け業者は直接施主様の指示に従ってはいけないことになっています。

おかしな話ですが、下請け業者にとっての “お客様”は施主様ではなく元請け業者なのです。汚い話ではありますが、お金の流れが指示の流れ。下請け業者は、お金を流してくれる元請け業者のいうことしか聞きません。

ですから、要望や疑問、不満は、元請け業者の担当者か営業担当に伝えて、現場の職人に指示してもらいましょう。先のお金の流れからすれば、元請け業者は施主様のいうことは聞くものですからね。

下請けからさらに工事の一部を請けて工事するのが孫請け、さらにひ孫請けといいます。下請けの下請けに行けば行くほど施主様の要望は伝わりにくくなります。請負金額も上位業者から請負単位をカットされていますので、適正価格を割った時点で手抜きや不正工事が起こりやすくなります。できるだけ元請け会社とのコミニュケーションが大事です。

※元請け業者とは、施主様から直接建築の依頼を受けるハウスメーカー・建築会社・工務店のこと。なお、元請け業者から各工事を請けるのが下請け業者です。

みなさんができる対策として、下請け(一次下請け)・孫請け(二次下請け)・ひ孫請け(三次下請け)なのかうまく聞き出し、元請け業者に「手抜きはないかどうか」を再確認させた方が良いでしょう。また、元請け業者に現場の組織表を提出させましょう。建設業法には「施工体制の明記」が義務付けられているから大丈夫です。

あとになって緊急事態が起きて元請け業者に連絡を取りたいときなど、電話番号や担当者が記入されているため便利です。さらに書類や打ち合わせ記録なども双方から同意書をもらっておくことをおすすめします(担当者の自筆サインなど)。将来トラブルが起きたときに役立つと思います。

大手ハウスメーカーの裏ばなし

広告宣伝に投じる大手ハウスメーカー。

確かに世に広めるためには広告宣伝することが必要。しかし、大手の場合は、私たちが考えている以上に多くの広告宣伝に建築費の一部を使っています。有名人を使ってのテレビ広告、大きなカラーのチラシ、一般の人が建てることが出来ない大きなモデルハウス、これらの費用を考えたら容易に想像が付くかと思います。

住宅価格は、工務店と比べると数百万円の単位で変わってきます。大手ハウスメーカーが作る家は、実際の家に使われる建築費用が少なくなったため、価格だけが高い価値のない家になってしまっているのが現状です。

住宅展示場の裏ばなし

住宅展示場を開くには莫大なお金が必要

  1. 建築費用
  2. 人件費
  3. 敷地借用代金
  4. 維持費
  5. 駐車場費
  6. インテリア費用等々

総合計約1億円ぐらいは何処の展示場もかけていると言われています。
この費用は、当然にお客様の家の代金に跳ね返るわけです。

安くて建てやすいローコスト住宅の裏ばなし

住宅は一番高い買い物なので、「安く建てたい」というのは、どなたでも考えること

しかし、ローコストということは何かが犠牲になっています。代表的なものとしては「材料」です。安い材料(化学建材)の場合は、家が長持ちしないというデメリットがあります。健康に暮すことと引き換えに安さを求めたのです。

もちろん、「デザインをシンプルにした無駄を省くコストダウン」とは区別しなければいけません。価格だけが安いローコスト住宅で本当に快適に暮せるのでしょうか。ローコスト住宅のメリット・デメリットを理解した上で、判断されることをお勧め致します。

住宅会社や大きな工務店のほとんどが建てる家づくりは、98%は見た

現在、建てられている家のほとんどが、天井と壁にはビニールクロスを使い、
床には、合板の上に薄い板を張ったフローリングを使っています。

特にビニールクロスは、人が住む家には不向きな材料だと考えられています。窓には隙間が出ないサッシを使いますので、当然室内は密閉空間になります。壁・天井がビニールで覆われていますので、湿気や有害な化学物質の逃げ場がなくなってしまったのです。

そのせいで「シックハウス」という恐ろしい病気を発生させてしまいました。24時間換気システムというシックハウス対策の方法もありますが、補えていないのが現状です。現在、建てられているほとんどの家は、断熱性能など住み心地に関することは考えられていないので、注意が必要です。

多くの建物は、安くて見た目はいいが「住み心地性能」は20点の家

実は多くの住宅では、見た目やコストが重視されているので、
目に見えない住み心地や健康に暮せることなど、あまり考えられていません。

車や電化製品にもその商品の性能があるように、家にも住み心地性能があります。住む人にとって一番大事な住み心地性能にこだわりその性能を高めた家がどれだけ作られているのでしょうか? 「窓の結露」「家の中が寒い暑くて寝られない」といった事は家の性能の低さを現しています。

また、自然素材を使っているからといって、快適とは限りません。自然素材を使うだけでは不十分です。これらは一般的に知られていないことですが、健康住宅にするためには、室内の温度・湿度を考えた空間が絶対的に必要です。

化学建材の恐ろしさ

みなさん、化学物質が人に与えるとても恐ろしい影響をご存知でしょうか・・・。近年、社会問題にもなっている「シックハウス症候群」。誰もが一度は耳にしたことがあるとは思いますが、今や他人事ではなくなっています。

シックハウス症候群とは

シックハウス症候群とは、室内の空気汚染が原因で引き起こされる様々な健康障害をいいます。シックハウス症候群の最大の原因は家具や建材などから放散される化学物質によるものです。

シックハウス症候群の原因

新築住宅で使われている化学建材や接着剤、塗料に含まれる有機溶剤などに化学物質が室内の空気を汚染して、人体に悪影響を与えていると考えられています。

しかし、決定的な原因物質や治療法は、いまだに解明されていないのです。住宅だけではなく、家具やカーテンなどから発せられる化学物質、日頃の換気不足、ダニ・カビ、化粧品や殺虫剤など日常用品から発生する化学物質も原因と言われています。

シックハウス症候群の症状

新築や改築直後から遅くても数カ月以内に、次のような症状がみられます。
目がしみる(涙がでてくる)、鼻が詰まる、鼻水がでる、のどが痛い、頭が痛い、動悸がする など多彩な症状が出現するようになります。

また、不眠症や慢性的な疲労感・倦怠感としてはじまる場合もまれではありません。また、症状には個人差が大きく、同じ家でも非常に強く症状の出る人から、まったく症状の出ない人もいることから、いわゆる「引越し疲れ」と思い込んで生活している場合もあり、初期の対応が遅れるケースがほとんどです。

さらに、元来アレルギー疾患を有する子どもでは、アトピー性皮膚炎や小児気管支喘息の悪化という形で出現する場合もあり、注意が必要です。

建築業界は価格が不透明

建築業界は価格が不透明

「家の値段を不透明にする建築業界の原因」、その原因は「坪いくら」という価格表示です。

大手ハウスメーカーの家が「高い」と思われている理由の一つは、家以外にかかる経費でした。でも、大手ハウスメーカー、地元の工務店の区別にかかわらず、まだまだ家の価格については疑問がありますよね。

それはこんな疑問ではないでしょうか?
「大手ハウスメーカーの注文住宅は確かに高いけど、注文住宅の価格が不透明なのは大手ハウスメーカーだけの話じゃないのでは・・・?」

確かにその通りです。注文住宅の価格が不透明というのは、大手ハウスメーカーに限った話ではありません。ローコストを売りにする工務店やフランチャイズ系の住宅会社の多くについても、価格が不透明というのは等しく言えることです。週末ともなると、住宅会社の折り込み広告が多数入っているはずです。その中によく見かけるのが、「坪25万円!」などという格安の坪単価を売りにするチラシです。

こういうチラシを見ると、「怪しいな」と思いながらも、こんな皮算用をしてしまうのが人情です。「坪25万円なら、40坪の家を建てても1,000万円で済むのか・・・」 その住宅会社に頼めば、本当にその価格で家が建つのかと言えば、残念ながらそうはいきません。そういう広告の金額は、家を作るのに必要な全体の工事費の一部である「本体工事費」の、そのまた一部を表示しているにすぎない場合が多いからです。

「本体工事費」とは一体何なの?

「本体工事費」とは、一般的に基礎工事費から屋根や内外装の工事までの費用のことです。

つまり、実際に家に住めるようにするためには、この本体工事費に加え、ガス工事費や給排水工事費、上下水道や電気の引き込み工事費、照明器具工事やカーテン工事費など「付帯設備工事費」や「別途工事費」「オプション工事費」などが必要になります。もう一つ付け加えてお話をすると、先程「一般的に」と紹介しましたが、どこからどこまでを「本体工事費」とするかは、実は決まっていないのです。

つまり、各社の裁量で決められているのです。極端な話、「柱と屋根は別途」としてもルール違反にはなりません。そもそも何のルールもないのですから・・・。でも、これでは怪しすぎてお客様は来ないのでそのような広告になっているのです。率直に言えば、格安の坪単価を表示している広告は、多くの場合、「おとり広告」の可能性が高いです。実際より安く家がつくれると錯覚するような価格をあえて表示をして、お客様を集めているのです。

そのため、「坪25万円!」のチラシに期待して、その住宅会社に話を聞きに行ったものの、「実際に住めるようにするためには別途400万円くらい必要です」などと言われ、がっかりして家に帰る事になるのです。

「家づくり」というのは、施主さんの希望を現実にするための家づくりのはず。施主さんによって、希望・要望はそれぞれ違うはず。なのに坪単価表示をする。つまり、このように住宅業界で常識になっている「坪いくら」という価格表示の慣習が、新築(マイホーム)の価格を不透明にする原因になっているのです。

坪単価はあくまで目安です。大切なのは、後で後悔しないためにも、本体工事費以外にいったいどんな費用にいくらかかるのか、住める状態にする総費用は全部でいくらなのか、を把握しましょう。

見積書のカラクリ

実際、家が建ち、そこで生活できるようになるまでには、どんな費用が掛かるのでしょう?
必要な経費は、だいたい次のようになります。

工事費

  • 工事費
  • 本体工事費
  • オプション工事費
  • 屋外給排水工事費
  • 電気、ガス工事費・外構工事費
  • 地盤改良工事費(必要であれば)
  • 電話、インターネット引き込み、アンテナ工事費
  • エアコン設備工事費
  • 照明器具工事費
  • カーテン工事費

また、工事費以外にも以下のような費用がかかります。

諸経費・諸費用

  • 建築確認申請費
  • 第三者機関保証費用
  • 工事中の火災保険費用
  • 工事管理費用
  • 地盤調査費用
  • 工事請負契約時の印紙税

この中には、住宅会社によって見積金額に含まれる経費と含まれていない経費があります。中には、「地盤補強工事費」のように、調査した結果により不要になるものもありますが、ほとんどは必要な経費です。こうした諸経費が見積り金額に含まれるか含まれないかで、総費用は大きく変わってきますので、ここは注意が必要です。

家を建てる人にとって大切なのは、あくまで「最終的な金額はいくらなのか」ということであって、坪単価ではありません。家の価格を比較検討するときには、単に、「坪いくら」という価格表示だけには、惑わされないように気を付けてくださいね!!

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