建築費に関しては今までもいろいろ書いてきましたが
今日も建築費についてのお話です。
工務店や建築会社が出す見積もりは下請と呼ばれる専門工事業者、資材メーカー
から出された見積の合計に自社の経費利益を加えた金額です。
工務店や建築会社の下請にあたる基礎工事業者や屋根工事、水道、電気工事業者が
元請である工務店や建築会社に高い見積もりをだせば建築費が高い見積になります。
逆に安い専門業者の見積もりが揃えば工務店や建築会社は安い見積もりを出すことが
できます。
こう考えると、建築費の高い安いは工務店や建築会社の意向よりも、下請の専門工事業者の
見積もりに最も多く影響されます。
同じように建築資材のメーカーや販売店の見積もりも同じことが言えます。
高い見積もりを出す資材メーカー、販売店。
安い見積もりを出す資材メーカー、販売店。
どちらの資材メーカーや販売店から工務店や建築会社が買うかによって
建築費は決まってくるのです。
工務店や建築会社が決定権があるのは自社の経費や利益のみの20%~30%です。
建築費用の中の70%~80%は専門工事業者や資材メーカー、販売店の
見積もる価格で建築費が決まるのです。
(大手ハウスメーカーの場合はこれが半々になりますが・・)
なので今の建築費が高い原因の多くは下請の専門工事業者と資材メーカーにあります。
(もちろんハウスメーカーの場合は経費利益の高さというのもあります)
今の多くの工務店や建築会社は安くするために専門業者や資材メーカーに根拠もなく
単純に値切るしか建築費を安くする方法は持っていません。
本当は専門工事や資材メーカーに安い見積もりを出させるには、工務店や建築会社が
きちんと積算し、単価の根拠を分かっていなければなりません。
また、専門工事業者や資材メーカー同士の競争見積もりも有効です。
専門工事業者や資材メーカーにとってのお客さんは工務店であり建築会社です。
施主ではありません。
ここが問題なんですね。
多くの専門工事業者や資材メーカーは施主のために少しでも
いい家を安く建てようという考えはありません。
施主と工務店や建築会社との間に行われる工事契約に専門工事業者や資材メーカーは
なんら良い家を安くつくることに貢献していないのです。
施主と全く関係ないところにいる専門工事業者と資材メーカー
元請である工務店や建築会社は積算見積もり能力がない。
このような仕組みで家づくりをする以上、良い家を安くというのは
無理があります。
専門工事業者、資材メーカー同士を競争見積もりにして、分離発注、部分分離発注
することが良い家を安く建てるためにはベストな選択です。
ただし、公平な立場できちんと積算見積もりができるプロの存在なくして
良い家を安くはできないというのはいうまでもありません。
今日は建築業界の隠された部分を暴露してしまいました(笑)