長年暮らした家が壊される時

 

家が古くなり建て替えやリフォームを思い立った時、

考えなければならないことがあります。

それは、その家で暮らした「歴史」です。

建て替えと言うのは、今までの家を壊して(すべてをゼロにして)、

もう一度、一から始めるということに他なりません。

建て替えと言うのは、何もかも新しくなるので、何でもできます。

間取りの制限も何もありません。

しかし、それはメリットでもあり、デメリットなのです。

何がデメリットか?と言うと、

実は、住んでいてこそわかる不満がある のです。

建て替える時には、今の家はキッチンが狭くてイヤだったから、広くしたい。

トイレの場所が不便だったわ。

などなど、大まかな不満の解消は行えます。

ところが、不満を解消して建て替えたはずの家にも、住んでいる間に

「不満」は出てくるのです。

これは、人の気持ちの変化やライフスタイルの変化もありますが、

その新しい家に住んだ経験がない・・というのが一番の大きな理由です。

なぜなら、今の不満は、あくまでも「今の家」を基準にしているからです。

一方、リフォームの方は、「今の家」の不満を「今の家」で解消するため、

満足度は高いと思います。

ただ、リフォームなら、それらの不満がすべて解消するか?

というと、こちらは、建て替えとは異なり、構造的に間取りの制限が

出てきたりしますので、思い通りにならないことも。

ですから、ここでも、建て替えかリフォームか?

冷静な比較が必要になる・・ということですね。

そして、最後に見逃してはならないのが、そこに住む人達の「感情」です。

たとえば、

「この家で子供が育った」

「この家は亡くなったお父さんが建てた」

などなど、

家への思い入れが強い場合には、理性より感情を優先させるべきでしょう。

理詰めでは比較できないものがあるのが、「住まい」です。

家の機能が少しぐらい劣っても、住んでいる人が、「幸せ」であること。

それが、何よりなのです。

こちらは、家族内での十分な話し合い、気持ちの整理が大切になってきます。

私が家を建て替える時、20年ほど前ですが、家がユンボで壊される時

感情が高ぶり昔の事を思い出し、なぜか涙かこぼれましたね。

慣れ親しんだ家に対する愛着、家族との思い出。

家に対する感謝の気持ち。

なぜか分からなかったのですが、とても悲しかった事を思い出します。

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